2003年10月29日

銀河漂流バイファムの異常性

「銀河漂流バイファム」が放映されていた当時、私は小学6年生くらいで、自分たちと同年代の少年・少女たちが自力で宇宙船を動かし、ラウンドバーニアン(バイファムにおけるモビルスーツ)を操縦して、自分たちの家族を救いに行く、というこのアニメが大好きだった。

バイファム放映からちょうど20年が経過した。
子供の頃大好きだったバイファムをもう一度見たくなって、レンタルして見てみた。

そこには、子供の頃には感じなかった「バイファム」という作品の持つ側面が見え、その異常性というか特異性にびっくりさせられた。

ククトニアンが攻めてきたため、外宇宙型練習鑑「ジェイナス」に乗り込み避難した住民。軍人の数が足りないため、一般の人に協力してもらい、鑑を運行するが、戦闘により次々と大人達が死んでゆく。そして大人達がいなくなり、残った13人の子供たちだけでジェイナスを運行することになる。
最年長、15歳のスコットが艦長となり、主人公ロディやバーツがRV(ラウンドバーニアン)のパイロットとして、また、ケンツやマキ、シャロンも時にはRVに乗り込み戦闘を行う。

ストーリー上は、戦争に巻き込まれてしまい、自分たちの身を守るため戦う事になるという必然性がある。
しかし、彼らが戦っているククトニアンは、化け物などではなく、宇宙人といっても、人間と変わらない。
彼らの仲間でもあるカチュアもククトニアンの少女だった(ストーリー途中で明らかになる。カチュア本人も知らなかった)。

見方を変えると、現在の、人種の異なる異国人と戦争と考えても、さほど違和感はない。

考えてみて欲しい。

戦争に巻き込まれたとはいえ、それが自らを守るためとはいえ、子供たちだけで戦艦や空母を運用し、戦闘機や戦車などを操縦して戦う姿を。

ロディやバーツのように14〜15歳くらいなら、体格などは大人と変わらないかもしれないが、シャロンは10歳、ケンツに至っては9歳である。

本当に、年端もいかない子供達が、大人用の兵器を操って戦闘を行う。
ロディは、ククトニアンの軍人ミューラァから「地球軍のエースパイロット」とも呼ばれる。最もこの言葉には皮肉も混じってると思うが…。

ストーリー後半では、ククトニアンの中にも「反政府軍」として、ロディたちに協力する勢力も出てくるし、ククトニアンが人間と変わらなければ変わらないだけ、バイファムに乗り、ククトニアンと戦うロディの姿に違和感を感じてしまう。

この「銀河漂流バイファム」という作品が勧善懲悪の物語で、敵が化け物や「悪」であるのならまだしも、そうではないだけに余計に感じてしまうのだろう。

最終回に出てくる地球軍の軍人たちの会話(「自分たちから戦争をしかけておいて、今更和平もないもんだ…」)なども、本編のストーリーとは関係ないが、変に生々しさを感じる。

同じ様なシチュエーションの物語としては、「ガンダム」もあるわけだけど、ガンダムでは途中から、アムロたちは軍人に編入される。連邦軍に所属するので、作戦にともなってホワイトベースは戦いに参入されたが、バイファムではそれもない。

映画「バトルロワイヤル」は、中学生たちに殺し合いさせることで非難を浴びたが、アニメとはいえ、中学生どころか小学生までも戦いに参加しているバイファムはどうなのだろうか。

もちろん、バイファムに登場するキャラクタたちは、嬉々として戦っていた訳ではないし、好戦的だったというわけでもないけれども。

私は今でもバイファムという作品は大好きだし、キャラクタやストーリーも好きだ。

けれど、大人になって見た今、当時には感じなかった部分を感じてしまった。
同じ一つの作品だけれど、見る立場が変わると、こうも変わってしまうのだろうか…。


Posted by nakamani at 13:17│Comments(0)TrackBack(0)エッセイ?

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